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環境省実証事業による、ファッションレンタルサービスの脱炭素・資源循環効果を公開

株式会社エアークローゼット(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:天沼 聰)は、創業当初よりお洋服のサステナビリティ・循環型のサイクルを意味する“サーキュラーファッション”を推進してきました。一方で、世界的にも新しいモデルであるファッションレンタルサービスは、実際に脱炭素・資源循環効果があるかどうか、これまで実証されていませんでした。

このような背景がある中、この度当社が参画した、環境省「令和4年度デジタル技術を活用した脱炭素型資源循環ビジネスの効果実証事業」(「令和4年度デジタル技術を活用した脱炭素型2Rビジネス構築等促進に関する実証・検証委託業務」において実施)にて、ファッションレンタルサービスの脱炭素・資源循環効果が推計されましたので公表いたします。

 

■衣服シェアリングのサステナビリティ効果を測定

昨今、衣服シェアリングによるファッションレンタルサービスは、主に配送面での環境負荷が要因でサステナブルなビジネスであるかどうか議論となっていました。しかし、今回の環境省の実証事業により、衣服シェアリングモデルのファッションレンタルサービスがサステナブルなビジネスであることが推計されました。

当社が運営する、お洋服のシェアリングビジネスである月額制ファッションレンタルサービス『airCloset(エアークローゼット)』では、オペレーション上で必要となるお洋服を循環させる基盤の構築や、サービスを通じたサステナブルな取り組み*1を実施してきました。今回の実証事業においては、そのような当社の事業運営における取り組みの環境面での貢献効果を測っています*2。

*1 当社プレスリリース「エアークローゼットがレンタルによる循環で衣服廃棄ゼロを実現」:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000011623.html
*2 環境省「デジタル技術を活用した脱炭素型資源循環ビジネスの効果実証事業」:https://www.env.go.jp/press/press_00690.html

 

■衣服の過剰生産・廃棄の抑制により、CO2排出削減19%・廃棄物排出抑制27%の効果

通常の販売モデルである「全ての衣服をユーザーが保有し、使用後は可燃ごみとして廃棄する」フローをベースラインシナリオとし、ファッションレンタルモデルである「ベースラインよりも少ない衣服をユーザーが保有すると共に、『airCloset』で衣服のレンタル(シェアリング)を行う」フローをファッションレンタルサービスシナリオとして、効果推計を実施。

その結果、レンタル時の配送による環境負荷も考慮した上で、衣服の過剰生産・廃棄の抑制による、事業の環境面での貢献効果「CO2排出削減19%・廃棄物排出抑制27%」が推計されました。

※以下、 環境省(2023)「令和4年度デジタル技術を活用した脱炭素型2Rビジネス構築等促進に関する実証・検証委託業務 報告書」より
報告書では脱炭素型2Rビジネスと定義されたシナリオをファッションレンタルサービスと表記

<CO2排出量>

・ファッションレンタルサービスシナリオでは、ベースラインシナリオと比べて19%のCO2排出削減効果が見込まれた。

・衣服は原料調達段階と生産段階におけるCO2排出量が大きい特徴を有するため、シェアリングを通じてユーザーによる衣服の購入・保有が抑制されることで、衣服の生産量が削減された部分が主たるCO2削減効果として期待されることが分かる。

 

<廃棄物排出量>

・ファッションレンタルサービスシナリオでは、ベースラインシナリオと比べて27%の廃棄物排出抑制効果が見込まれた。これは、シェアリングを通じてユーザーによる衣服の購入・保有が抑制されることで、衣服の生産量が削減されたことによるものである。

・廃棄物排出量に関しては、生産量の削減によって原料調達・生産段階での工程ロスと使用済み衣服の廃棄量の削減とともに、リサイクルへの仕向によって焼却処分の削減も見込まれた。

 

■ファッション業界のサステナビリティを実現するために

ファッション業界では大量生産大量廃棄の現状があり、サステナブルでない状態が実情です。当社は“サーキュラーファッション”の実現により、「アパレル廃棄量の削減」「生産量の最適化」「適切なリユース・リサイクル」を推進することによって、ファッション業界全体がサステナブルになっていくと考えています。

<ファッションのサステナビリティにおけるポイント>

本実証事業にて、シェアリングによってお洋服との出会いを最適化することで、衣服の過剰保有・過剰生産・廃棄の抑制、衣服のシェアリング(リユース)・リサイクルによる焼却処分量の抑制ができるという点で、『airCloset』が“サーキュラーファッション”の実現に貢献しているとされました。そのため、当社が『airCloset』を通じて各ブランド・メーカー様と連携することで、ファッション業界全体のサステナブルな成長を目指せると信じています。

当社が運営するシェアリングモデルのファッションレンタルサービスは、お客様がファッションを楽しむ体験そのものを変えずに、お洋服の購入費用ではなく、レンタルサービスの利用に対して料金をお支払いいただくのが特徴です。また、お客様がサステナビリティを意識して消費行動を選択するだけでなく、ファッションを楽しみながら、意識をせずにサステナブルな消費行動を取ることができます。

また今後さらに、産学官全ての領域で幅広く連携することで、日本社会における“サーキュラーファッション”推進にも貢献してまいります。

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■お取り組みに関するお問い合わせ
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当社が掲げる想いにご共感いただける企業様・団体様とより良い未来を作っていきたいと考えています。
“サーキュラーファッション”のお取り組みにご興味のある方はぜひ下記までお問い合わせください。
・お問い合わせ先:pr@air-closet.com

 

「デジタル技術を活用した脱炭素型資源循環ビジネスの効果実証事業」とは
環境省では、循環経済への移行を通じた脱炭素社会の実現のため、デジタル技術を活用した資源循環ビジネスモデル(サービサイジング、シェアリング、リユース、リマニュファクチャリング、製品の長寿命化、保全・修理等)の構築を促進しています。この一環として、資源循環ビジネスモデルの脱炭素及び資源循環等の効果について実証するため「デジタル技術を活用した脱炭素型資源循環ビジネスの効果実証事業(デジタル技術活用効果実証)」を実施しました。

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